英語学習においてリスニングは必要不可欠ですよね。
聞くことができなければ、それに反応することもできません。
実際の会話でもそうですし、特にTOEFL iBTではSpeaking, Writingでも聞いたものを話したり、書いたりするタスクがありますので聞けないと話になりません。
そこで今回は総合的にリスニング力を高める方法をお伝えしたいと思います。
私は現在ではTOEIC940点でリスニングセクションは495点満点中485点です。
もともとはTOEIC350点からのスタート(セクションごとの内訳は忘れました)でしたのでここまでの道のりをお伝えすることはできると思います。
*TOEIC初心者の場合はTOEIC対策というよりも基礎的なリスニング、文法、単語力をつけることによって基礎が身につきます。
基礎が身についてからTOEIC対策をした方が土台がある分、伸びしろは大きくなります。
それではさっそく紹介します。
まずは発音学習から
そうです。発音です。リスニングというからには聞くことをメインに学習を進めていくかと思った方もいると思います。
しかし、発音を習得する(学ぶではなく)ことがリスニング力をつける第一歩となります。
英語の音が聞こえない理由は、その音を認識できないからです。
自分の中にその音が認識できるものとして存在していないんです。
だから、その音を自分の中にインストールする必要があります。
そこで手っ取り早いのが実際に自分で発音できるようにすること。
そうすることによってその音を聞いた時、認識できるようになります。
なのでまずは発音学習から!
①絶対発音力「マトリックス方式」で脱日本人英語
私が参考書を選ぶ際の大切なポイントが「アウトプット」ができるかどうか。
参考書によっては辞典のような感じで発音のルールや記号はついていてもそれを元に練習したり、アウトプットの機能がないものもあります。
それだと私の場合は定着しませんでした。(文法も同様にアウトプットできるものをおすすめします。→参考記事)
こちらの本は割と初心者用です。省かれている発音もありますがわかりやすく丁寧に解説されています。
遊び心もあり、アウトプットセクションでは楽しく取り組めると思います。発音学習の第一歩としておすすめします。
②英語のリスニングは発音力で決まる!
そしてこちらは先程の本と比べるとやや難易度が上がります。
こちらは発音力をリスニングへとつなげるような流れで構成されています。
こちらもアウトプットがあり、個人的には取り組みやすかったです。
勉強法① 音読
発音ができるようになったら、英語の文章を読むようにしましょう。
私は発音を学んだ後は声に出して音読するのが楽しくなりました。
現在使用している教材や勉強している資格試験のリスニングのスクリプトなどを使用してたくさん音読してみましょう。
教材の難易度としては内容がほぼ100%理解できているものが良いです。
内容がわからないまま音読を繰り返しても定着は薄いと思います。
内容が理解できているからこそ、強調すべき部分やそうでない部分の発音の仕方などがわかってくると思います。
音読の流れを以下に記載します。
①スクリプトを見ながら、リスニング音源を聞く
まずはこれです。スクリプトありのリスニング音源といわれて思い浮かぶものがなければ、英検の過去問を使用するのが良いでしょう。
英検のウェブサイト内に過去問音源、スクリプト、回答など無料で公開されています。(参考:英検準2級過去問)
TOEICを勉強している人であればTOEICの公式問題集などを使うと良いと思います。
(ただし、初心者にはTOEFLの音読、特にレクチャーの音読はあまりお勧めしません。難易度の高い単語も多く、音声面に集中するのが難しいからです。)
②音声をまねて、音読を繰り返す
短い問題から取り組みましょう。何度も何度も音読します。回数は人によって異なりますが、自分の中で音声と同じくらいの速さ、発音(可能な限り)まで近づけましょう。
わからなければ音声を聞きなおして構いません。
ある程度自分でできるようになったと感じたら自分の声を録音してみましょう。
自分の声とモデル音声を比べてどこがどう違うのか検証しましょう。
わからなければ知り合いに聞いてもらいアドバイスをもらうのも良いでしょう。
勉強法② ディクテーション
音読がある程度できるようになったら次はディクテーションに取り組みましょう。
最終的にディクテーションはしなくても良いのですが、次に行うシャドーイングへの橋渡しだと考えてください。
ですので、音読からすぐにシャドーイングに移れる人はそれでもかまいません。
ディクテーションは聞こえてきた音声を、順番に書き取っていく作業です。
何度も何度も聞いて、何と言っているか1語も聞き漏らさずに書き取ります。
これも短いものから取り組みましょう。
そうでないと挫折します。笑
ディクテーションやシャドーイングをやっていると途中でわからないことがあります。
その時はリスニング力だけでなく、文法力や語彙力も駆使しましょう。
例えば、
"I 〇〇〇 to the park this morning." をいう文章があったとします。
あなたは〇〇〇の部分が聞き取れません。でも文法の知識があれば
「主語があって to the parkと続いているからおそらく動詞だな」
と判断することができます。
また、「to the park this morningだから今朝公園に"行った"かな?」と仮説を立てることができます。
そこで"went"だろうかという仮説を立てて、聞き始めるわけです。
これをリスニング力とは言わないかもしれませんが、知識と経験から生み出される英語力だと私は考えています。
何度も何度も聞いてすべて書き取れるようにしましょう。
全て書けていると思ったらスクリプトを見て答え合わせをしましょう。
うまく書けていないところはなぜうまくかけなかったのか。
スクリプトを見ながら、音声を聞いてその原因を探りましょう。
すると「これ"is"のはずなのに"is"と言ってない!」など色々と文句を言いたくなるところが出てきます。笑
そうやって文章の中で弱く発音される語やつながる語などの感覚がつかめてくるのです。
勉強法③ オーバーラッピング
ここまで音読とディクテーションで扱う、音源、文章は同じもので問題ありません。
英検でいうとリスニングの第一部、TOEICでいうとパート1の長さから始めるのがおススメです。
ディクテーションまでできたら、次はオーバーラッピングです。
これは「音声と同時にスクリプトを読み上げる」行為です。
ですのでスクリプトは見て構いません。
音源に限りなく近い発音を意識しましょう。
何度も何度も繰り返し、音源と同じスピードと発音で話せるようにしましょう。
終わったらまた自分の声を録音してみましょう。
勉強法④ シャドーイング
これで最後です。シャドーイング。
難易度が高いので慣れていない人は上記3種類を丁寧にやってからシャドーイングに移りましょう。
上級者は①~③をスキップしてもかまいません。シャドーイングの効果が一番あると個人的には思います。
しかし、シャドーイングの難易度が高すぎたり文章の意味を理解していないと効果は半減してしまいますのでその場合は①~③を丁寧にやりましょう。
シャドーイングはスクリプトなしで聞こえてきた音声を生成することです。
なので少しタイムラグがあります。
しっかりと音をキャッチできていないとシャドーイングすることはできないので、難易度が上がります。聞こえてないと発話できませんからね。
ということでシャドーイングを完ぺきにできるところまで一つの問題をしゃぶりつくしましょう。
番外編:上級者向け
1.精聴トレーニング
④までTOEICのパート1&2である程度できるようになった場合は英語の精聴をしましょう。
扱う教材はTOEIC, TOEFL, 英検などのリスニング長文です。
一文一文を聞いて、聞こえてきた文章をもとにディクテーションをしますが一字一句同じでなくてもかまいません。
わからないところは音声を止めて何度も聞きます。聞き取れないところは近くの文脈をもとに自分で予測、要約し、ノートを取ります。
例えば、”Rare books are up on the second floor. They're in a separate room where the temperature is controlled to 〇〇〇 the old paper in them. ”(ETS TOEFL iBT test Practice Setより)
という文章があったとします。
あなたはどうしても〇〇〇の部分がわかりません。おそらくこの単語を知らないのでしょう。
「貴重書は2階にあります。古い紙を〇〇〇するために気温が管理されている別室にあります。」というところまではわかりました。これを元に前後の文脈から、貴重書、古い紙、別室、気温管理、などをキーワードにして、「おそらく紙が劣化するのを防いでいるのだろう」と判断してノートをとることができるかどうかです。
その場合わかる部分だけディクテーションして ”Rare books are up on the second floor. They're in a separate room where the temperature is controlled to 保護する、劣化を防ぐ the old paper in them. ”などと仮説を立ててノートを取っておくのもOKです。
ディクテーションよりも意味に注力して聞くことがポイントです。ですので語を全て書き写すのではなく、聞こえてきたことを要約してまとめる、ノートをとるというイメージです。
そしてスクリプトを見て確認をする際に、意味と同時に聞いてもわからなかった単語を確認します。その単語は知らないもしくは音を認識できる状態にない語ですので知っておく必要があるでしょう。
これをやる目的としてはインプットを意味理解まで落とし込むためです。
聞こえてきたとしても、意味理解まで至らなければ意味がないためです。
だから①~④で紹介した学習方法も意味がほとんど分かっていないものでやると効果が薄いですね。聞こえるけど、全く意味が分からないという状態になります。この勉強法はかなり時間がかかりますが力になります。
2.アマゾンオーディブル
ある程度、力がついてくると日常の中で英語の「ながら聞き」ができるようになります。
「英語を勉強したいけど時間がない」という方にはアマゾンオーディブルで通勤中や家事をしながら聞くのもおすすめです。
著者もコロナ禍になってからアマゾンオーディブルを使い始めました。
日本語の本を聞くこともあれば、洋書を聞くこともあります。
ある程度TOEICなどで高得点が取れるだけ力がついてきて、伸び悩みを感じている方は一度その試験の教材から離れてみると良いかもしれません。違う音声や内容に触れることでブレイクスルーがおきて、力がつくということは体験済みです。
ただし、洋書はハードルが高いのでまずは短めのものや自分が詳しい分野のものを聞くと良いでしょう。
または日本語で読んだことのある本の洋書版を読むのもハードルが下がってよいかもしれません。
例えば日本語訳にもなっているグラント・サバティエ著のFIRE
YouTubeで中田敦彦さんが紹介していたことでも有名です。
こちらの本の洋書が以下になります。
私はこれを英語で聞きました。TOEICで900点くらいのリスニング力があれば問題なく聞くことができると思います。
アマゾンオーディブルに関しては以下のバナーから無料登録&30日間無料体験できますので是非お試しください。
終わりに
ここまで発音の参考書&勉強法を紹介してきました。
個々人のレベルに合わせて①~④は調整してください。上級者になればなるほど④までの道のりは短くなります。
私がTOEIC350点だった時、色々遠回りもしましたが上記を実践することによって約1年でTOEIC715点まで上がりました。
毎晩寝る前、TOEICパート1と2の音源をシャドーイングしてから寝てました。それを3か月以上は実践しました。
それくらいたくさん数をこなして少しずつ力がついていくものだと思います。
よく聞き流す学習法に効果があると言われますが、私は意味が分からないまま聞き流すことには意味がないと考えています。意味が分かる状態、楽しめる状態であればどんどん聞いて効果はあると思います。
長くなりましたが、上記の参考書や方法が皆さんのお役に立てると嬉しいです。
その他にも英語学習におすすめのポッドキャストを紹介していますので是非お読みください。
ありがとうございました。