今回はTOEFL参考書のDelta’s Key to the TOEFL iBT: Advanced Skill Practiceの書評(Reading&Listening)をしたいと思います。
*Writing&Speakingは別の機会に解説します。
TOEFLの参考書はTOEICなどと比較しても少ないと思います。
受験者の皆さんがどの参考書を使用するべきか、使用に適したレベル、メリットやデメリットも解説していきます。
概要
TOEFL4技能が網羅されている参考書ですが、700ページ越えととにかく分厚いです。
4技能の設問毎に問題が入っています。リーディングだけでも170ページ程度、リスニングは80ページ程度割かれています。
そしてスピーキング、ライティングセクションがあり、テストセット4つ、回答、音声スクリプトがついています。(CD付)
今回の記事ではリーディング&リスニングセクションの良い点と実際のTOEFLとは異なる点に分けて解説していきます。
書評
良い点(メリット)
①問題数が豊富
とにかく量が確保できる。
トピックも文系から理系まで網羅されている。
②本番と比較し難易度が低い
少し本番よりも簡単なため、「TOEFL公式問題集は難しすぎるけど、TOEFL独特のトピックで問題を解きたい」という方にはピッタリ。
③背景知識をつけるのに良い
TOEFLを解くうえでやはりトピックが学術的で難しい。
英語がわかっても背景知識がなく理解しにくい場合もあるのがTOEFL。
そういった意味で少し難易度が低く、多くの問題を解けることが背景知識をつけることにつながる。
④整理された設問タイプ
単語の意味を答える問、文章内で含意されているものを答える問など、TOEFLの問題形式にそって設問タイプ別に対策が可能。
そのため公式問題集を解いてだけでは気づかなかった発見がある場合も。
例えば、Delta参考書を解いていて他の設問に比べて単語の意味を答える問の正答率が低いとします。
ということは単語に課題があるか、その単語周辺で与えられているヒントに気づけていないのかなど自分の弱みが明確になる。
補足
筆者が学習した際は単語問題、要約問題、挿入問題が苦手(リーディングセクション)ということがわかりました。
単語問題に関してはこちらの本に載っている接頭語などを知ることで対策しました。
また、要約問題、挿入問題はトフレ!のWebsiteブログで紹介されている解法が参考になりました。
著者としては、この「設問毎の得意不得意を知り、対策ができる」という点が最大のDeltaの強みだと考えています。
TOEFL公式と違う点(デメリット)
①問題の長さ
実際のTOEFLの場合、リーディングパッセージが約700語、リスニングの場合はレクチャーだと5分近い場合もある。
一方でDeltaでは700語より少ないパッセージも多く、レクチャーでも30秒から2分ほどで終わるものもある。
したがって「本番前で本番同様の練習をしたい」という人には不向き。
②選択肢の英語表現
TOEFL本番もしくは公式問題集では本文の表現が言い換えられて選択肢にあることがほとんどである。
一方でDeltaでは本文中の表現がそのまま選択肢に出てくる場合もある。
なので文章を理解していなくても必要箇所だけ抜き取れば正解できる問題がある。
しかし、練習でそれをやっても自分の力にはならないので、正解を選択するときは「同じ表現だから」という理由ではなく、「本文を読んで理解できた」という状態で問題を解くと良い。
③難易度
こちらは人によって良い点にも悪い点にもなり得る。
著者がこの参考書に手を付けたのがTOEFLリーディング23点、リスニング23点のころ。
私の正解率は9割は正解していました。
しかし、簡単という印象はなく、しっかり読まないと理解できない内容でした。
この本が必要な層
上記のことからTOEFLリーディング23点、リスニング23点くらいまでの方であれば十分この参考書を使用する意義はあるのではないかと思います。
(24点以上の方ももちろん目的によって意義はあると思いますので、それぞれの目的に応じて考えてみてください。)
まとめ
向いている人(こんな人におすすめ)
・とにかく問題を解きたい
・TOEFLの背景知識をつけたい
・設問別の得意、不得意を知りたい
・実際のTOEFLは少し難しすぎる
向いていない人
・本番と同じ分量&難易度の問題を解きたい
・本番前の模試がほしい
・R&L24点以上で難易度の高い問題が必要
となります。目的によっては非常に有益な参考書だと思いますので個々の課題に応じて使用を考えてみると良いと思います。
その他、TOEFL関連の記事も書いていますので興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。