今回はTOEFL iBT Speakingについて書きます。
北米の大学に進学する際、主に必要となるのがTOEFL iBT。
2年制大学だと45-61点、4年制大学だと62-80点程度、大学院だと80-100以上の点数が求められます。
80-100点くらいを目標点とする場合、Speakingで23点を取れるとかなり目標達成の現実味が帯びてきます。
そこで今回は23点を目指す勉強法についてお伝えします。
私自身、23点を取得したことがあるので実体験をもとにお伝えできると思います。
①目安を知る
まずは23点を取るために必要な得点配分を説明します。
TOEFL iBT Speakingは4つのタスクに分かれています。
それぞれのタスクが4点満点で評価され、
すべて満点であれば30点
すべて3点であれば23点
(2つが3点、2つが2点の場合19~20)
すべて2点であれば15点
すべて1点であれば8点
となります。(当然それぞれのタスクの点数が異なれば、上記以外の点数も出ます。)
23点を取得するのであれば、すべてのタスクで3点以上は取る必要がありそうだというのがわかってきます。
もちろんそれ以外の方法もありますが、今回はすべてで3点を目指す前提で進めます。
では3点の解答とはどんなものでしょうか。
こちらにルーブリックがあります。
Independent Task採点基準とサンプル
まずはIndependentから。
ざっくりと訳をするとこんな感じです。(赤字は私の都合の良い解釈ですので参考までに。)
3点
General Description:適切に表現できているが、完全に発展させることはできていない。基本的にわかりやすく、一貫性があり、表現に流動性があるがアイディアを表現する際に気になる間がある。以下のうち少なくとも二つは当てはまる。
Delivery:基本的に明瞭で表現に流暢さがあるが少し聞きとりにくい発音があり、イントネーション、ペースにおいて聞き手が努力を要する場合がある。(意味理解には大きく影響しない)
→相手が理解できる発音、それなりの流暢さ
Language Use:おおよそ文法・語彙を効果的かつに表現できている。また、アイディアに関連し一貫した表現ができている。しかし、時折正確ではないもしくは限定的な文法や語彙の使用がある。これは流暢さに影響する可能性はあるが意味を伝える上で大きく影響するものではない。
→中学文法で良いので正確に
Topic Development:一貫しており、関連した情報を含む。展開としては限定的であり緻密さや、細かさはない。アイディア同士のつながりはクリアでないこともある。
→論理的に話す
実際にはこんな感じだと思います。(テーマは「リスクを取るべきか否か」という感じだったと思います。)
こちらは私がSpeakingで23点を取ったテストの前に録音していたものです。
本番とは話していることが異なりますので得点とこの回答は一致しない可能性もありますが参考までに。
ある程度の流暢さはありますが詰まることもあります。発音は理解できます。何度も同じ表現を使ったりして表現が洗練されているわけではありません。
使用している単語は簡単なものばかりですね。ただ具体例を入れて論理を展開できています。
Integrated Task採点基準とサンプル
Integrateはどうでしょうか。
ざっくりと訳をするとこんな感じです。
3点
General Description:independentと同様
Delivery:independentと同様
Language Use:independentと同様
Topic Development:要求された関連情報を表現することができる。しかし、不完全さ、不正確さ、不明瞭さが内容にあったり、話のつながりが断片的な場合がある。
こちらも音声ファイルを載せます。(レクチャーの要約です。)
詰まったりすることはありますが、基本的にはスムーズです。要点は抑えています。しかし、単語が限定的(happyの多用)です。
②流暢さを鍛える
上記の音声を聞いていただいてもわかる通り、小難しい表現を使用しなくても23点は取れます。
逆に言えば26点以上を目指すのであれば、どれか一つのタスクで満点を取らなければならず、表現を磨いていく必要があります。
なので23点を目指すのであれば「簡単な表現で良いのでスムーズ、流暢に話せる力」をつけるべきだと思います。
当然、文法や語彙はある程度正確である必要があると思います。
しかし、本番では文法や語彙は気にせず流暢さを心掛けましょう。
*流暢さを鍛えるならオンライン英会話が手っ取り早いです。
各社無料体験だけでも数回できますので、とりあえず無料体験だけでもやってみる価値はあると思います。
私もいろんな会社の無料体験を試し、それだけで数カ月もちました。笑
結果的に自分の気に入ったところで課金しても良いですし、しなくてもいいと思います。
*流暢さに関してはTOEFL Practice Online(TPO)でFeedbackをもらえる部分もあるので必要に応じて活用をお勧めします。(関連記事)
③リスニング力を鍛える
ある程度正確性のある文章を流暢に言えたらもう23点を取る力は身についていると言えます。
しかし、4つあるうちの3つのタスクでリスニングが求められるのがTOEFLの特徴ですね。
ですので、会話やレクチャーを理解できるようにリスニング力を高める必要があります。
*リスニング力向上についてはこちら
テンプレートは必要か?
よく言われますね。
結論としては初級者は使用した方が良いと思います。
どのように表現するかまだ分からない人にはそれに時間をかけるのも良くないと思いますのでテンプレートを活用することにより自然な表現を定着させていきましょう。
しかし、思考停止して何でもテンプレートに当てはめるだけでは不自然になります。
テンプレートの意味を理解し、状況に合わせてアレンジするくらいが良いですね。
そのうち慣れてくればテンプレートを中心にして、表現を変えたりすることができればあなたの応答はどんどんレベルアップしていくと思います。
なので最初は「型」として活用し、その後離れていくのが良いと思います。
(こちらではテンプレートの紹介はしませんので、「TOEFL iBT Speaking テンプレート」などと検索してみてください。)
練習方法 *本番まで
①まずは書いて正確な文章を作る
いきなり「流暢に話せ」と言われても文章を作ること自体に一苦労という場合は話すことから始めるのは酷ですね。
文法をある程度学んできた方なら簡単な文法で構わないので、正確に書き起こしてみるのが良いと思います。
まだ23点に届いてない方はここであえて難しい表現を多用したりする必要はないと思います。それは流暢さの妨げになるからです。
文法の基礎から怪しいという人は文法学習から始めましょう。
文法の基礎ができていないと必ず頭打ちが来ます。伸びしろは少ないです。アウトプットにつながるおススメ文法書はこちらから。
②音読
ある程度正しく自然な文章が書けたら(誰かに見てもらうのが良いです)書いたものを音読しましょう。何度も何度も繰り返します。
③キーワードを10語を抽出、それを元に話す
音読を何度も繰り返したら、最後に書いた文章の中から10語ピックアップして別の場所に書き出しましょう。
そしてそのキーワードを元に話してみましょう。
それで流暢に論理的に、相手が理解できる発音やイントネーションで話せればOKです。
ここまで練習すると、練習した題材はうまくできると思います。
本番では初見のトピックですので練習よりもうまくいきません。
練習では3点のさらに上を目指して結果的に本番で3点になるくらいを目指しましょう。
本番の心構え
①アウトプット量を増やす
②英語の間違いは気にせず、話し続けること
→練習では正確性も重視しますが本番では正確性は捨ててください。
とにかく内容のあることを論理的にたくさん話すことを心掛けてください。
日本人は綺麗に話そうとしすぎて詰まることが多いです。少しテキトーな気持ちで、どんどん話すくらいの方がうまく話せる人が多いです。
まとめ
書いてきたことをまとめると
23点(全タスクで3点)を取るには・・・
・簡単な文法や語彙でもOK。流暢に話す
・論理的に話す
・相手が理解できる発音で話す
が必要です。あくまでもこの方法は私が経験した一例であり、Speaking23点まで到達する方法は他にもたくさんあると思います。
これが全てではなく、一つの参考までに捉えていただけると嬉しいです。
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この他にもそもそもの話す力をつけるために日本国内でスピーキング機会をつくる方法を発信しています。
また、話す力をつけるためには英語の「ノリ」「テンポ」も大切です。それについては以下の記事で紹介しています。