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TOEFL新形式ライティングで高得点を取る書き方を分析!

「TOEFL Writingが新形式になるみたいだけど、どうすれば点数を取れるのか」

という疑問を持っている方もいるでしょう。

しかし、これまでのTOEFLの傾向やTOEFL Essentials、さらにTOEFLを作成しているETSのwebsiteなどからある程度の「ヒント」が得られます。

この記事では筆者目線でTOEFL新形式のWriting問題を分析して、高得点を取る方法を紹介します。

これまでTOEFL Writingで25点以上を取り、受験生の指導にも関わってきた経験を元に解説します。

参考にしてみてください。

何が変わるのか

まず変更点についてはいくつかありますが、説明はTOEFLのWebsiteに掲載されていますので、そちらをご覧ください。

時間など細かい点は色々とありますが、対策という点でいえば一番大きいのは

Writing問題の変更」ですね。

Independentが撤廃され、代わりに"Academic Discussion Task"になります。

早速見ていきましょう。

 

新形式のWriting問題

こちらも公式サイトに例題がありますが、問題にたどり着くまでにいくつかステップがありますので以下で紹介します。

「形式なんてもうわかってる!」という読者の方は読み飛ばしてください。

タスクの概要としては
・授業で教授の問いに対しての意見を述べる
・学生2名が既に意見を述べている
・個人的な意見を少なくとも100語以上で述べる

というものです。

そして

教授の問いは(ざっくりいうと)
「過去200年の中で我々の生活にとって大きなインパクトのあった発見や発明はなにか。パソコン、携帯電話以外でなぜそれが重要かを含め、答えなさい。」

です。

また、学生であるPaul NとLena Aはそれぞれ意見を述べています。

そのような条件下で少なくとも100語以上で自分の意見を表現するのです。

どのような回答が高得点を取れるか

さて長くなりましたが本題です。

実はTOEFLを作成しているETSから5点と4点のサンプル回答が公開されています。

*過日TOEFLを作成するETS主催のウェビナーで3点サンプルも公開されていました。

このAcademic Discussion Taskは5点満点で採点されることになっていて、そのルーブリックも公開されています。(参考

まあ、ただそのルーブリックよりも実際の解答例を見ていく方がイメージがしやすいと思いますので、サンプル回答を見ていきたいと思います。

5点の回答

分析

ETSから以下の理由が挙げられています。(以下、要約)

・ワクチンや抗生物質が発明される前と後の人類の変化が描写されている
・医療が進化し続けていることを述べている
文法ミスはほとんどなく、あっても与えられた時間を考慮すると許容範囲

つまり、詳細に理由が書かれており、メインポイントを十分に支えている。

筆者の分析

そのサンプルはどのような構成だったかをもう少し詳しく分析していきます。(筆者の意見)

①概要から入って、主張を明確にする。

In the past 200 years, tons of scientific discoveries or technological inventions have been shown to the world. If I had to choose one in particular it will probably be vaccine or antibiotics.

「過去200年で、たくさんの科学的な発見やテクノロジー発明が世に現れた。もし、一つだけ選ぶとしたらそれはおそらくワクチンもしくは抗生物質だろう」

→まずは自分の主張を明確にしている。

 

②過去と現在を対比している。

With Pasteur's work and discoveries, the world changed in a way people couldn't imagine. So many people were dying really young because at that time life's conditions were not as good as the one we have now.

「パスツールの努力と発見により、世界は人々が想像もしていなかった方法で変化した。たくさんの人が若くして死んでいた、なぜならその頃は生活環境は今のそれほど良くはなかったからだ。」

→①の主張をなぜしたのか、どのように人々の生活が過去と現在で変化したのかを述べている。

 

③具体例1

With vaccine, we could now irradicate diseases that were killing millions of people, we learn so much about the immune system and ways our body was reacting to pathogens and the answers he could produce to defend us against it.

「ワクチンによって、我々は多くの人を死に追いやってきた病気を根絶することができうる。また、免疫システムや我々の身体が病原体に対して反応する方法やそれらに対して体を守る答えを学ぶことができる。」

具体例を述べて、主張に説得力を持たせる。

 

④具体例2

Medicine evolved so much and keeps evolving every day because scientists are curious to understand how our body is working and how he is able to communicate with our environment. People aged 40 are now not that old and still have a really long life to live and enjoy when 2 centuries ago it was synonymous of 80% chance of dying.

「医療は進化し、日々進化を続けている。それは科学者達が身体がどのように機能するか、どのように環境に適応できるかを研究してきたからだ。現代で40歳というのはさほど老けているというわけではなく、まだ長く生きられる。2世紀前までは死ぬ可能性が約80%だったのに。」

2つ目の具体例でさらに主張が強くなる。

上記のような構成で書かれており、具体例を交えて論理的に展開されています。

また、英語表現においても意味を妨げるほどの誤りはありません。

4点の回答

From my personal point of view, I think the most important invention is the light bulb. Before it was invented, people had have to use candles for illumination in the evening. It's performance is not very stable, and it is produce really high tempreture which would probably lead to a fire accident. Light bulbs, however, produce constant and bright lighting at nights. One light bulb could use for several years, which is quite convenient-people don't need to storage many bulbs. What's more, it is safer than past candles. This is a huge progress in technology, and I consider it as the most vital invention from the last 200 years. 109 words (引用元)

分析

ETSによるフィードバック

ETSから以下の理由が挙げられています。(以下、要約)

・電球の利点を挙げている
・利点がロウソクの欠点との対比になっている
・電球がなぜロウソクより優れているかだけでなく、なぜ電球が最も重要な発明だったかを述べるとさらに強い議論になった
・文法と語彙において誤りが散見される

 

確かに
「人類の生活や寿命を大きく改善した医療」(5点)と比較すると「なぜ電球が人類にとって過去200年で最も重要だったか」(4点)という理由としては少し弱いですね。電球にするのであれば、その理由も妥当なものである必要がありますね。

そして、文法に関しても5点のものと比較すると誤りが多く、読み手に取って多少気になるが理解はできる、といった具合です。

 

筆者の分析

そのサンプルはどのような構成だったかをもう少し詳しく分析していきます。(筆者の意見)

①主張

From my personal point of view, I think the most important invention is the light bulb.

「個人的な観点から見ると、私は電球が一番重要な発明だと思う。」

主張です。明確ですが、"From my personal point of view, I think"は「個人的な観点から見ると、私は~と思う」ということなので長さの割にあまり内容が薄いと思います。(その辺りが得点に反映されているかは不明)

 

②過去と現在の対比

ロウソクのデメリット

Before it was invented, people had have to use candles for illumination in the evening. It's performance is not very stable, and it is produce really high tempreture which would probably lead to a fire accident.

「それが発明される前は、人々は夜に光が必要な際ロウソクを使わなければいけなかった。ロウソクは安定していないし、火事につながる高温も生み出してしまう。」

 

電球のメリット

Light bulbs, however, produce constant and bright lighting at nights. One light bulb could use for several years, which is quite convenient-people don't need to storage many bulbs. What's more, it is safer than past candles.

「しかし、電球は夜に一貫した明るい光を灯すことができる。電球一つで何年も使える、それはたくさんの電球を保管する必要がないため人々にとって便利である。」

 

③まとめ

This is a huge progress in technology, and I consider it as the most vital invention from the last 200 years.

「これはテクノロジーにおいて大きな進歩である。そして、私はそれを過去200年で最も重要な発明だと考える。」

 

3点の回答

最後は3点の回答です。こちらはサクッといきます!

 

まとめると

・複数の発明を持ち出すのは構わないが、詳しく述べられていないため「部分的にOK」
・このようなリスト化したような回答は、説明、例、詳細が不足している
・いくつか目立ったミスも散見される

という評価です。

筆者の分析

ETSのフィードバックにもある通り、コンピューター、携帯電話、テレビ、薬、乗り物など多く取り上げていますが、詳細は述べられていないのが3点の大きな理由ですね。

「多くを取り上げると点数を取れない」ということではないと思いますが、多くを取り上げすべてを詳細に説明するのは時間的に非現実的です。

まずは一つに絞って、それを掘り下げていく意識で臨むのが良いのではないでしょうか。

Q&A

過日、先述したTOEFL主催のウェビナーで新形式Writingに関する質問がいくつか挙がっていました。

以下の回答はETSの方が答えていた内容になります。

 

①クラスメイトのDiscussionには言及する必要があるか。

問題を見てもらえるとわかりますが、教授の問いに対してクラスメイトと思われる人物二人が意見を述べています。この内容に言及する必要はあるのか、ということです。

答えは「回答は言及する必要はない。」とのことでした。

ただし、Discussionに関連している必要がある、と言っていました。

ここはあまり深く考えなくて良いと思います。問いに答えており、的外れでなければOKです。

他のクラスメイトの意見に部分的にまたは全面的にagreeもしくはdisagreeしても良いですし、しなくても良いです。

 

②100 wordsが目安として書かれているが制限はあるか。

なしです。文字数で点数が決まるわけではありません、とのことでした。

しかし、5点満点の回答は約140 wordsとなっています。

回答を詳細に書いた結果が140 wordsとなったという認識で良いと思います。

文字数を増やそうと思うあまり、意味のないことを繰り返し書くことはお勧めしません。

詳細な回答を書くうえで、結果的に文字数が増えてしまったものは気にする必要はありません。

まとめ

今回は、ETSから公開されているWritingセクションAcademic Discussion Taskのサンプル回答5点(満点)、4点、3点を比較してみました。

実際には、紹介した以外の書き方や方法でもルーブリックに則っていれば満点は取れるのではないかと思います。(決して、今回紹介した構成や方法で書かなければ満点が取れないというわけではない。)

しかし、「どのように構成して良いかわからない」という方にとってはまず上記の構成を参考にし、練習してみると良いのではないでしょうか。

最後に、TOEFLを作成しているETSから新形式のサンプル問題が10題以上公開されています。

ぜひ活用してみてください!

おまけ

TOEFL新形式Writingにピッタリの教材を発見しました!

こちらはNew York Timesの記事なのですが、

まずトピックがTOEFLに近い感じです。

さらに、記事後半に問いがたくさんあってそれに対するレスポンスを書いていくと勉強になると思います。

最後に、コメント欄があるのですがこれがまさにTOEFL新形式と同じ感じです。笑

記事の問いに対して読者がたくさんコメントをしています。

学習者の皆さんもこのDiscussionに参加してみてはどうでしょうか。

もちろん、あなたのポストに点数はつきませんが、「相手に読んでもらうために文章を書く」

という体験を実際に積むという点ではいい経験になりますよ!

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こちらの記事以外にもIntegrated taskについて書いてある記事もありますので、是非ご覧ください。

TOEFLスピーキングやリスニングについてはこちらから

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