社会人でも学生でも、人前で話す機会ってありますよね。
そんな時に
「自分の話を聞いてくれていない」
「一対一で話すときと何かが違う」
「人前で話すのが苦手」
と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、これまで日本語・英語の両方でたくさんパブリックスピーキングを経験してきた筆者が、人前で話をするときに「まず聞いてもらう態勢をつくる方法」をお伝えします。
1.静かな状態をつくる
まずは、基本的なところから。
人前で話す際に、相手が学生だったり、騒がしい場だったりすると賑やかで話を聞いてもらう状態になっていないことも多々あります。その状態で話を始めても、中々聞いてもらえないものです。(聞こえない)
相手が学生であれば
「話を始めるので、静かにしてください。」"Guys, please listen!"
などと声を掛けます。そうすると前の方の学生は静かにし始めますがすぐには完全に静かになりません。
その場合、話しては軽く手を挙げながら無言で静かになるのを待ちます。
話し手がこのように手を挙げると声が聞こえていなかった人たちの目にも留まり始めます。
そして、話し手が何か言いたそうにしている様子が伝わり、少しずつ静かになります。
また、気づいた学生が気づいていない学生に声をかけたり、周りが静かになるのを感じて静かにする学生も出てきます。
そこまでいけば、もう大丈夫です。聞く準備が整ったので、
「ありがとうございます。」"Thanks" などと言って話を始めます。
※補足
ここまでの雰囲気としては決して険悪な感じではなく、柔らかい感じで、笑顔も含めて実践しましょう。聞き手(特に学生)は素直なので決して悪気はありません。環境を整えましょう。
少し状況は異なりますがこちらの動画が参考になると思います。
話し手は、聞き手が笑っている(ざわざわしている)のを感じると一度言いかけた言葉を止め、静まるのを待っています。
聞き手にとってもそれが一つのサインになり、静かになります。そして、静かになってきたところでまた話始めます。
この話し手はおそらく無意識で実践していると思いますが、「聞き手が聴く状況を整える」というのはパブリックスピーキングの基本と言えます。
相手が社会人であれば
「聞いてください。」などというのは少し気が引けますよね。
社会人であれば、相手が話始めるとわかれば静かにするのがマナーだと思いますので「はじめますよ」の合図で以下のように始めるのが良いと思います。
「本日は、お集まりいただきありがとうございます。」
"Thank you all for coming today."
この時、聴衆をまっすぐに見て、ハキハキとした声で胸を張って話すことが聞き手も
「これから始まるんだ」
と直感的に感じることができます。
決して、下を向いて言ったり、無表情で言ったりせず、心を込めて言いましょう。
2.相手を見る
基本的なことですが、特に話始めはとても大切なことです。
話し慣れていない人ほど、原稿、スライド、カンペなどを見て話しがちです。
相手の顔を見て話すというのは少し勇気がいることかもしれません。
しかし、聞き手としては原稿を見て話す人、自分の目を見て話す人、どちらの話を聞こうと思いますか?
答えは言うまでもありません。聞き手をよく見ましょう。
ハウツー本には、「どこからどこに目配せをして・・」なんて書いてありますが、筆者の場合はあまり難しいことは考えず、自分の方を見てくれている人の顔を見ています。できれば一人ではなく、複数見れると良いと思います。
「相手が下を向いているときはどうすれば良い?」
そう思う人もいるでしょう。
相手が下を向く場合、相手が前を向く仕掛けを作れば良いのです。
・スライドに視覚的な要素を盛り込む(話している内容理解を促進するための写真等)
・視覚的な質問、投げかけをする(この用紙のここに〇〇を記入してください。※実物を見せながら)
聞き手が前を向く理由を作れば良いのです。
こちらの動画では話し手が、視覚を使いながら聞き手を惹き付けています。それ以外にもしっかりと聞き手を見て、話すなど参考になる点がいくつもあります。
3.ハキハキと話し始める
聞き手にとって「今から始まる」という意識を持ってもらうためには、なんとなく始めるのではなく、ハキハキとした話し方で始めると良いと思います。
こちらの動画は悪い例ですが、わかりやすくぼそぼそと話していますね。
ここまで極端ではないかもしれませんが、人前で話すことに慣れていない人は棒読みになってしまう可能性があるので気をつけましょう。
一方、こちらは良い例です。
目線はもちろんですが、声のハリ、ハキハキ具合が全く違いますね。
人前で話すときは、誰かと一対一で話すときよりも少しトーンを上げて話すように心がけると良いと思います。
「今からショーが始まる!」くらいの意識を持つと聞き手にも届くと思います。
番外編
番外編としてもう一つ紹介します。
それは「話過ぎない」ことです。
「プレゼンなのに話過ぎないなんて無茶だ・・・」
そう思う方もいると思います。
その通りなのですが、やっぱり聞き手の立場になると長時間話を聞いているのはつらくないですか?
大人であれば、ある程度我慢して聞くと思いますが、相手が学生などであれば正直に反応します。笑
話がうまい人は別かもしれませんが、筆者が高校生などを相手に授業をしていた時は「長くても話し続けるのは10分」と決めていました。
真面目な学生でも15分くらい経つとこんな感じになります。笑
当然、授業であれば起こすのですが学生を責める前に「まずは話し手である自分が工夫できないか」と考えるべきです。
そうすると筆者の場合は「話し続けるのは10分まで」と考えるようになったのです。
「じゃあ、それ以外の時間はどうするの?」
となりますよね?
それ以外の時間をどう使うべきか、以下の記事で紹介しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ここまでは、まず話始める前から話初めにかけての「聞いてもらう態勢をつくる」ということに焦点を置きました。
今後、話し方についても記事を更新していきます。
お読みいただきありがとうございました。