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TOEFL Practice Online (公式模試TPO) スコアの妥当性仮説と検証

2022年5月現在、本試を受けるのに$235かかるTOEFL iBT。今は日本円を影響を受けて、30,000円を超えることもありえます。

ここまで高額だと何度も何度も本試を受けてられないですよね。

そこで、現在の実力を知る上でとても役に立つのがTOEFL Practice Online(公式模試、TPO)とも呼ばれます。

TPOだと$45.95(2022年5月時点、アメリカETS Websiteより)で4技能の模試を受けることが可能です。

*V31のみ$29で受けられる裏技があるようです。(参考

その他にもReading&Listeningのみ、Speaking&Writingのみ、Speakingのみの模試もあります。(詳細

個人的には

・すぐにスコアは必要ないが実力を知りたい
・お金をかけたくない
・Wriitngは細かいFBがほしい

という方におすすめです。*FB→フィードバック

理由としては

・模試のスコアが本試のスコアに近い
・本試と同じ形式で受けることで、本試で実力を発揮できるようにするため
・本試よりも細かいFBが受けられる(W)

です。

では、早速模試スコアと本試スコアを比較してみましょう。

模試スコア=本試スコア?

筆者が最近本試を受ける前に受けたTPOと本試の結果を以下のテーブルにまとめています。

実際に4技能のフルバージョン模試を受けたのは2回ですのでそれ以外はReading, Listening, Writingが空欄になっています。

Reading & Listening

そもそもReading&Listeningは公式問題集に載っている問題を解いてある程度スコアが算出できますので、スコア算出という意味での模試受験はそこまで必要ないと思います。(スコア算出お勧めサイト

この2技能に関しては模試スコアの妥当性は極めて高いでしょう。

単純にこの2技能は正解・不正解(そして偏差値)でスコアが決まるため評価がわかれることはありません。

本試では多少スコアのズレはありますが、何回も本試を受けていてもトピックの内容などによってこれくらいの差は十分出る範囲内だと思います。

Speaking

筆者としてはSpeakingスコアが一番幅が出ると思います。なので、一番多く模試を受けています。

Speakingの採点に関しては、(模試結果欄に)

"This information does not necessarily predict your Speaking section score on an actual TOEFL test."

と記載がありますので、スコアの幅、際についてはETSも織り込み済みだと思います。

本試のSpeakingセクションでは

・Delivery
・Language Use
・Topic Development

が採点基準となります。(人間と機械による)

このうち、

模試で測れる能力はおそらくDeliveryの部分

ではないかと私は仮説を立てました。

TOEFLのSpeakingセクションは4つに分かれており、各タスクが4点満点で評価されます。

この4点満点をたたき出すためには、上記の3つにおいて満点を出さなければいけません。

ちなみに4つのタスク全てで3点だと、合計点は23点となります。

こちらのテーブルに戻ります。

最初2回の私のSpeakingの点数は18点と19点。

私の本試でのSpeakingの点数は2年前と4年前に受けた本試で23点でした。(23点のレベル感

そこから自分のSpeaking力は衰えてはいないと思いましたので、10点台はさすがにないだろうと思いました。

それぞれの横にある()内の数字は

「おそらく本試では16-23点の範囲に収まりますよ」

という目安です。

つまり、最初2回の模試では

どう頑張っても23点を超えることはできない

という判定が出たということです。

「内容もわからないのになぜ23点を超えられないとわかるのか」と思いましたが、

機械が判断できるのは流暢さや語数(Delivery)ですよね。

つまり

模試で24点以上が出ないということは、Deliveryの部分で満点が出ていない

という仮説を立てました。

じゃあ、とにかく流暢に話してみたらスコアはどうなるのか。

実験したのがその次の模試です。
*模試では本試と異なり、何度も録音しなおして自分のベストを提出することができます。

スコアランジが19-27に変わりました。

なるほど、

この速さで話すことができれば27点を出せる可能性があるのか

という結論に至りました。

少なくともDeliveryでは4問のうち、2問で満点を取ることができたのではないかと解釈しています。(Speakingタスク採点詳細についてはこちらを参照)

ただし、模試では少なくともTopic Development(内容)については(もしかするとLanguage Useも)判定できないので、このような幅の広いスコア表示になるのだと思います。

すなわち

「4/11に筆者が受けたSpeaking模試のDeliveryで、Topic DevelopmentとLanguage Useにおいても満点が出た場合、27点を取れる可能性がある」

と解釈することができます。

なので筆者は4/11~次の模試を受けるまでの4/16までDelivery重視で練習に励みました。

そして、迎えた4/16は以下のようになりました。

こちらは完全に一発勝負で挑みました。

4問中1問でDeliveryが満点を記録したと解釈しました。

何とか自己最高の23点を超えたかったのでこの速さで本番も挑めば25点取得の可能性があると思いましたが、本試は22点でした。

詳しいフィードバックはありませんので、詳細は不明ですがDeliveryで満点を取れなかったか、Topic DevelopmentやLanguage Useで満点が取れなかったのか、もしくは両方ですね。

なのでSpeakingの採点に関しては確固たる答えはありませんが、上記のデータが皆さんの参考になると幸いです。

Speaking模試の結論としては

「〇-〇点の幅内には収まるが、特定はできない」

としておきます。

Writing

こちらに関しては本試よりもむしろ丁寧なフィードバックが模試では出ます。

こちらが一度目に受けた模試の記録です。

Ratingが3のもの→Integrated Writing
Ratingが4のもの→Independent Writing

です。

実はこのRatingの部分は本試を受けたあとは出ないようになっています。(以前は出ていました。)

なので、それぞれどのくらい点数が取れた結果の点数(0-30)なのかが本試ではわかりません。

なのでWritingで自らの実力を知りたい方は模試受験をお勧めします。

ちなみにこの結果を受けて私は、WritingのCriteriaを確認しました。(Criteria)

詳細は以前の記事に書いてあるので割愛(参考記事)しますが、

Integrated Writingのレクチャー3つのポイントを全て網羅できていないと4点は出ない

ようになっています。

この模試を解いた時も

「3つのポイントの内、1つは聞けていない」

という感覚はあったのですべてを聞けるようにトレーニングをしました。

↓その際に使用した参考書はこちらです。

本番と問題形式が異なるというレビューもありますが、私は形式というよりも聞きとることに重点を置いていたので役に立ちました。

TOEFLでは3つのポイントが順番にわかりやすく述べられるのですが、

この参考書では集中して聞かないとどこでポイントが切り替わったかわからないため負荷をかけて学習することができました。

そして、約1カ月ほど勉強し再度模試を受けました。

この時にはすべて聞けたという感覚があったので納得の点数でした。(ちなみにWriting用の参考書はもう一つ使用しました。)

どちらかで5点を取るのはそもそもの英語力や表現力を高める必要があるため、今回の受験では諦めていました。

そして、迎えた本番は24点。

本音を言えば25点欲しかったですが、人間の評価や相対評価(偏差値)で1点の誤差は想定内でしたのでこんなものだと思います。

結論、Writing模試の得点はかなり本試に近い

としておきます。

※ライティングの採点についてはこちらも参考になります。

終わりに

長くなってしまいましたが以上になります。

まとめると、TPO(TOEFL公式模試)得点と本試の関係性は

Reading: 同じ
Listening: 同じ
Speaking: 幅はある。特定は不可
Writing: ほぼ同じ

としておきます。

個人的には本試を受ける前に模試で慣れておくと良いと思います。

公式問題集をやっていても、やはり細かい部分で本当に本番さながらにやるためにはもし受験が不可欠だと思います。

当然本番でしか味わえない部分もありますが(会場受験なら他人の騒音、自宅受験ならプロクターの存在など)、模試を受けることである程度想定はできます。

自分の実力を知り、少ない受験回数で結果を出したい方には是非お勧めです。

今回は筆者の限られたサンプルからの記事ですので、ご意見がある方は教えていただけると嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。

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