パブリックスピーキング

話過ぎてはいけない?パブリックスピーキングで話さずに聞き手を夢中にさせる方法

以前の記事で「授業でもプレゼンでも10分以上は話し続けない」ことを筆者は心掛けていると書きました。

でも、実際には30分や1時間ほどプレゼンの時間はありますよね。

そこで、本記事では極力話す時間を短くし、授業やプレゼンを行う方法をお伝えします。

前の記事でも書きましたが、筆者は高校の教員として、野球のコーチとして、大学の職員として学生、社会人の前でたくさん話す機会(日・英)をいただきました。

その経験を通して、「いかに聞き手にとって退屈な『話し手が話す時間』を極力短くし、聞き手にとって有益な時間を提供するか」を考え、実践してきた中で身に着けたスキルを伝授します。

1.質問を投げかける

質問を投げかけて、全体のリアクションに対して聞き手は反応します。

例えば、筆者は大学勤務していた際留学生に対して、「毒ヘビの講習」を実施しました。筆者が勤務していた大学付近では毒ヘビが出ることがあり、ヘビの危険性や遭遇した際の対処法等についてレクチャーする必要がありました。

そこで"How many of you have actually seen wild snakes?" (この中で野生のヘビを見たことがある人はどれくらいいますか?)

と投げかけました。実際に何人か手を挙げ、それに対して周囲はざわつきました。

それに対して、また筆者は"Where are you from? Where did you see them?" (あなたはどちらの出身ですか?またどこでヘビを見ましたか?)などと聞きます。

そうすることで一方的なレクチャーではなく、インターアクションが生まれます。

聞き手も変化があったり、自分が実際に話したり、行動できる場面があった方が集中できるものです。

プレゼンやレクチャーの中でどのように質問を組み込めるか考えておきましょう。

また、質問は2択や3択などの選択肢を与えるパターンと答えがオープンなものは聴衆とあなたの関係性によって使い分けると良いでしょう。

たとえば、初めて会う大勢の相手に対しては選択肢を与えるのが良いでしょう。先ほどのヘビの質問は2択ですね。聞き手がどちらかに手を挙げればよいので簡単ですし、正解も不正解もありません。聞き手にとって質問に答える心理的負担は少ないですね。

逆にオープンな質問「ヘビはどこに生息していますか?」この質問は聞き手が自分で意見を述べなければいけません。手を挙げれば注目を浴びるし、間違えるリスクもあります。心理的負担は先程の2択よりも高そうです。

ですので、オープンな質問は気心の知れた仲間や少人数といった聞き手にとってリスクの低い場面で使用するのが適しているかもしれません。

もちろん、国民性やその場の雰囲気などで一概には言えませんが聞き手の立場になって適切な質問を考えましょう。

こちらはあるTED TALKの映像です。

話し手は質問に対する答えを知りたいというよりも、聞き手とのコミュニケーションのために質問を使っているように見えます。

聞き手を巻き込める質問は何か、考えてみましょう。

2.聞き手に行動してもらえる部分はしてもらう

これもまた大切なことです。

具体的には、先程の毒ヘビ講習の中では

ヘビのはく製を学生に触ってもらいました。

実際に本物のヘビを間近で見て、口を開けて牙を見てもらいました。

そうすることで「このヘビに嚙まれたら・・・」などと想像がわき、ただ話を聞くだけよりも印象に残るのです。

また、その他の例で言えば

・商品紹介のプレゼンであれば、実際に商品をさわってもらう
・オンラインでサイトの使い方の説明などであれば、実際に操作してもらう
・コミュニケーションに関するワークショップであれば、レクチャーした内容をペアで実践してもらう

など、トピックによって異なりますが自身のプレゼンの中で聞き手に行動してもらえる部分はないか考えてみてください。

そうすることで聞き手の理解も深まるのであれば一石二鳥でしょう。

こちらも動画では発声について実際に聞き手に立ち上がってもらい、実践してもらっています。

この記事を読んでいる皆さんもプレゼンの中で聞き手に行動してもらえる部分はないか考えてみましょう。

3.Q&Aセッション

もし、聞き手が日本人以外であればQ&Aセッションは絶対に入れることをお勧めします。

筆者が米国の大学に勤務していた時、ホームステイに関わるオリエンテーションをした際、最後にQ&Aセッションを設けました。

世界各国から集まった留学生たちは英語があっている、間違っているに関わらずどんどん質問してきます。

その質問は、オリエンテーションでは筆者が触れていなった内容もあり、その解答を聞くことでまた他の聞き手も理解が深まります。

それが、何度も何度も起こりその際は結局30人ほどの質問に答え、20分ほどQ&Aの時間が続きました。笑

英語でのやり取りでしたので、筆者は疲れましたがオリエンテーションとしては大成功でした。

学生が自分達で疑問を持ち、それが解消されるという自発的な経験により理解が深まったと認識しています。

話し手としては日本語でも、英語でも

「答えられない質問が来たらどうしよう」
「質問はない方がいいな」

と考える人もいるかもしれません。

でも、筆者は経験上

「たくさん質問してもらった方が聞き手にとって良い経験になる」

と思っています。

答えられない質問が来たら

「その質問に対する答えは今できないので、改めて回答します」

などと言えば良いのです。少し勇気がいるかもしれませんが、お勧めです。

また、日本人を対象とした場合はそこまで質問が出てこないこともあるかもしれません。

それでも、話し手が積極的に質問を投げかけたり、参加者同士のペアワークをしてみたり、「質問しても良い雰囲気」を作り出すことができれば日本人でも質問は出てきます。ずっと話してが一方的に話し続けた後に静まり返った会場で「質問はありますか?」といっても中々質問は出てきません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

ポイントは

・聞き手の理解を促進するために行動させる

です。自身のプレゼンの中で組み込める部分がないか、考えてみましょう。

話し手が10分以上話すのは避け、合間に組み込んでみましょう。

また別の記事でも「聞き手を惹き付ける方法」を紹介しています。

是非読んでみて下さい。

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